当院では手術に血管シーリングシステムの機器を新たに導入しました。

【血管シーリングシステム】とは電気エネルギーを利用して組織内で熱を発⽣させ、⽔分を放出し蛋⽩質を変性させる圧⼒により、変性した蛋⽩質(⾎管壁)を融合・⼀体化させることができ、より安全な外科手術が可能となります。
当院では人医療により近い、動物医療を目指しており、患者様の手術に対する不安や、より安全な医療を皆様にご提供できればと思い、シーリングシステムの導入をさせて頂きました。
この機器を使用することにより、5mm以下の血管に対して、縫合糸をつかわずに確実な止血が可能です。
利点:

① 手術の際、極力縫合糸を残さない手術が可能となります。
⇨手術の際組織を切るので、どうしても出血が起こってしまいます。通常、ある程度の太さの血管からの出血などには、縫合糸を使い止血することで対応します。
この機器を使うとその止血が縫合糸を使わずに可能となり、お腹の中に縫合糸を極力残さずに手術できるようになります。
これにより、縫合糸反応性肉芽腫という病気の発生を予防することができます。
【縫合糸反応性肉芽腫とは】
体が手術で使った縫合糸に対して過剰に反応し、数ヶ月から数年して肉芽腫(しこり)や炎症を起こして、皮膚に穴が開いたりする病態です。

② 麻酔時間が短く安全な止血が可能。
⇨手術の際縫合糸を使い安全に止血するには、一定の時間がかかります。この機器を使うことにより、この時間を短縮し、安全にかつ短時間の止血が可能となります。
手術により止血しなくてはいけない血管の数は違いますが、この機器を使うことにより出血が多く予想される手術でも安全性高く、比較的短い時間の麻酔での手術が可能となります。

当院では避妊、去勢手術にもこの機器を利用する事が可能ですので、ご興味ある方は是非ご相談ください。